金麦を飲む

無職になったので、日記をつけようと思います。

無職日記 4日目

今日は昼前に起きた。ヨーグルトを食べてから、ツタヤで借りていた『駆け込み女と駆け出し男』を観た。

それなりに楽しんだ。

ただ、この下敷きとなる物語を書いたのも、映画を監督したのも男性だと思うと、それが頭から離れなかった。

女が苦しんでいる。それを描く男。


昨夜、南国さんと、女が人間として見られないという話をした。

終電まではまだまだ時間があり、なんとなく話し足りず、高架下沿いを数駅歩きながら話していた時だった。

南国さんがそんなことを思っているとは思っていなかったので、一人ぼっちの宇宙で誰かと手がふれたような気分になる。

南国さん自身は、男女という括りではなく、別の括りでよく迷惑を被っているようだった。

「分からなさをそのせいにされる」と言っていて、あー、と思った。


私も、南国さんも、同じ業界で仕事をしている。

そういう中で「女性ならではの感性で切り取られた」ホニャララ、みたいな言説はうんざりするほど耳にする。受け手の分からなさを、想像力の届かなさを、そこに落とし込まれる。そういうことを言われると、こいつには何を言っても無駄だ、と思う。まあ、言う側は褒めていることも多いので、「別にいいけど」と思うしかなくなる。


こんなことを話せる男性は珍しい、と言うか、自分発信で話してくる男性は珍しかったので、思いをぶちまけているうちに思わず声色が荒くなって、謝った。

そうしたら南国さんは、いや、怒っていいよ、と言った。

怒っていいよと男性に言われたのは初めてかもしれない。

そんなに怒らないでよ(謝ってるんだから許してよ)としか言われたことない。


とか思いながらスナックに出勤。

明日は6時起き明日は6時起き、と呪文のように唱えながら、終盤、適当な話をしていたお客さんと少しずつ心の距離が近くなって、楽しくなってまいりましたというところで、その人の一番好きなラブサイケデリコの曲が、私の唯一歌えるラブサイケデリコだったので、嬉々としてその曲を入れたら、その直後に帰ることになって、ただただ平謝りしながら終電に飛び乗った。


私が高校生の頃、なぜかカラオケ大会で、イケてる女子や普通の女子と一緒にグループで出場し、歌ったラブサイケデリコ『Last Smile』を、今でも本当に歌えたのかなと思いながら、小さく口ずさみながら帰宅した。

あらゆるタイミングが難しい。