金麦を飲む

無職になったので、日記をつけようと思います。

無職日記 結婚できない人と7月の吹雪

今日は9時半に起きた。
先週の金曜日、PCで履歴書と職務経歴書を作って2社に送った。
そのうちの1社は、送るかどうするか数週間迷っていた会社だった。それなりに緊張しながら送り、さてどうなることやらと思っていたけど、そういえば世間は三連休だったので、連絡はまだ来ていない。

昨日の夜、買ったばかりの赤いワンピースを着て、家でごろごろしていた。
ら、同じ街に住んでいる知り合いから飲みの誘いが来て、それじゃ30分後にという話になった。
その人はただ近所に住んでいるだけの飲み友達、知り合いで、そんなに話が合うわけでもないけど、合わなくもない。共通の話題もそこそこある。仕事の話もまあまあできる。
その人にとって私じゃないといけない瞬間というのはなく、私にとってその人じゃないといけない瞬間というのもない。
こんなにも代替可能な同士で会うために夜の風に揺れる赤いワンピースを、冷ややかに見下ろしながら、待ち合わせた駅に向かった。

35,36歳くらいかと思っていたら41歳だったその人は、独身で、販売系の仕事をしていて、休みが月に2回しかないらしい。
「ちょっと一杯」という時に私に連絡してしまうくらいなので、おそらく恋人はいないのだろうと思う。

この人を見ていると、いい人だからと言って結婚できるわけではないのだなと思い知らされる。
顔もそれなりによく、スーツの趣味もそれなりによく、性格も明るく、嫌みを言うような人間でもない。人を傷つけなさそうな人だ。結婚願望はあるらしい。
私には、この人が結婚できない理由が分からない。
話を聞いていると、出会いがないようなので、それに尽きるのかもしれない。
人と人が付き合うには、出会いと、何かしらのアクシデントがなければ難しい。(告白なんてアクシデントも甚だしい)

そういえば先日、人生で初めてハウス系のクラブへ行った。どうも有名な箱らしかったけど、そういう系統の音楽に疎い私は、知らなかった。
音楽のボリュームが上がり、サァーっという効果音が入り、ビートを刻む音が細かく増し、照明がチカチカして「最高潮やってきました高まってます」感のある空気が作られ、来るぞ来るぞ、と思うと、案の定来る、そして盛り上がる、という、正直者の音楽に体を合わせていると、自分まで正直者になったようで不思議なうれしさがあった。
トイレを覗くと、あからさまに空気が澱んでいて笑った。

そのあとくたびれた若いサラリーマンに声をかけられ、取材半分な気持ちで話をした。
嘘が下手で、優しそうな青年だった。
みんな幸せになってくれよと思いながら、そんなこと言えた立場かと致命力3割増でブーメランが返ってくる。
天井に吊るされたミラーボールはあまりに大きくて、その割に反射面があまりに小さかった。梅雨真っ盛りの7月、クラブハウスの空間中を照らす光が細かすぎて吹雪みたいで、逆にロマンチックだった。